五禽戯(ごきんぎ)

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目次

五禽戯の概要

効能

一般の運動の効果は、内臓までには至らない場合が多いが五禽戯は、虎⇒肝臓、鹿⇒腎臓、熊⇒脾臓、猿⇒心臓、鳥⇒肺臓をよくする。


手の厥陰心包経(けついんしんぽうけい)心の外側を包む膜。心の調節や防衛を行う。

手の少陽三焦経(しょうようさんしょうけい)体中の3つの熱源と水液運行の円滑化。

督脈(とくみゃく)陽経の中心として、脳や脊髄、大腸、小腸、膀胱などの調整を行う。

任脈(にんみゃく)陰経の中心として、妊娠、胃腸、心肺、顔面などの調整を行う。

予備勢 起勢調息

足を肩幅に広げ胸前に挙げて、降ろす。

第1戯 虎戯(フーシー)虎の動作

虎の勇猛果敢な気力・気迫に満ちた姿をイメージする。

肝打開将打一個比方⇒称(肝)将軍⇒虎王⇒勇猛

この特徴を認識して行うと、肝に効果がある。

足の少陰腎経(しょういんじんけい)水分代謝の調整。生殖・発育・成長に関わる。

足の太陽膀胱経(たいようぼうこうけい)尿を貯え、排出する。

手の握力増強。全身の骨と関節を丈夫にする。特に背柱、各関節、肺、腰、生殖排泄器官等の機能を強化する。
気力を充実させ精神力を強化する。

中医による解説を日本語にしてくれているのでこちらのブログを参考に ↓

https://takeichi3.exblog.jp/17737560/

https://takeichi3.exblog.jp/30511472/

第一式 虎拳(虎が前脚を上げる)

基本の形は虎爪(こそう・とらのて)。五本の指を張り、 張る力を保ちながら関節の一つ一つを引締め(力を入れ)折り曲げつかむ。この時三つの関節に力を入れる。肝と握力には関係があり、握る手に変化を持たせて鍛えることにより末端関節の血液循環を改善し、肝を強くする。

両手を上げる時は重い物を持ち上げるような感じで、胸を引き上げ、腹をおさめ、十分に体を伸ばす。下げる時は二つの輪を引くような感じで、胸を含め、腹を緩め、気を丹田に沈める。目は手の動きを追う。動作と呼吸を合わせ、両手を上げる時に吸い、下げる時に吐く。

両掌変爪(両手を虎爪に変える)

握拳上提(拳を握り、上げる)

翻掌上拳(手のひらを返して、上げる)

変爪握拳(虎爪に変え、拳を握る

両拳下拉(拳を下げる)

変掌下按(掌に変えて、下に押す)

第二式 虎撲(虎が獲物を捕らえる)

握拳上提(拳を握り、上げる)

変爪前伸(虎爪に変え、体を前に伸ばす)

屈膝下按(膝を曲げ、下に押す)

頂髖提拳(股関節を突き出し、拳を上げる)

挺胸後仰(胸を張り、後ろにのけぞる)

提膝挙手(膝を持ち上げ、手を挙げる)

第2戯 鹿戯(ルーシ)鹿の動作

鹿が草原を伸び伸びと駆け回るしなやかな姿をイメージする。 

足の厥陰肝経(けついんかんけい)気血の流れを全身に巡らす。自律神経を調節。

足の少陽胆経(しょうようたんけい)胆汁を貯え、放出。判断・決断力を養う。

血管や筋肉の伸縮力を高め、しなやかにする。
股関節を強化する。
脊柱の形を矯正し腰椎を強化する。

中医による解説を日本語にしてくれているのでこちらのブログを参考に ↓

https://takeichi3.exblog.jp/17751671/

https://takeichi3.exblog.jp/30513131/

第一式  鹿抵(鹿が後ろを見る)

基本の形は鹿角(ろくかく・しかつの)親指をまっすぐに伸ばして外に開き、人差し指と小指はまっすぐに伸ばし、中指と薬指は内に曲げる。

弓歩(きゅうほ)両足を前後に大きく開く。横幅は一定に保つ。前の足はひざを前に向け弓のように曲げ、太ももは地面に対して斜め、膝とつま先は上下にそろえる。つま先はやや内向き。後ろの足は自然に伸ばし、かかとは地面をしっかり蹴る。つま先はやや内向き。足の裏はしっかりと地面につける。

邁歩側擺 (一歩踏み出し、手を横に振る)

変角前擺 (角に変え、前に振る)

転腰下視(腰をまわし、下を見る)

立身上擺 (体を起こし、上に振る)

側擺変拳(横に振り、空拳に変える)

収脚落拳(足を戻し、拳を下ろす)

第二式  鹿奔(鹿が駆ける)

提膝提肘(膝を上げ、肘を上げる)

證足翻拳(足を蹴り出し、拳を返す)

落脚鬆腕(足を下ろし、手首をゆるめる)

弓歩屈腕(弓歩になり、手首を曲げる)

後座弓背(重心を後ろに移し、背を丸める)

弓歩鬆肩(弓歩になり、肩をゆるめる)

後移落手(重心を後ろに移し、手を下ろす)

収脚跳歩(足を戻し、重心を移動する)

第3戯 熊戯(シュンシ)熊の動作

熊がのっしのっしと森の中を這うように歩く姿をイメージする。

足の太陰脾経(たいいんひけい)消化吸収。血流の管理。

足の陽明胃経(ようめいいけい)飲食物の消化。小腸に送る。

胃腸など、消化器系統を活性化する。(便秘・下痢等を予防)
股関節を強化する。

中医による解説を日本語にしてくれているのでこちらのブログを参考に ↓

https://takeichi3.exblog.jp/17779139/

https://takeichi3.exblog.jp/30514794/

第一式 熊運  (熊が腹を回す)

基本の形は熊掌(ゆうしょう・くまのて)親指で人差し指の先端を押さえ、他の四本の指は揃えてまるめ、虎口も丸くする。

腹前抱拳(腹前で熊拳をつくる)

揺晃画圓(体を揺らし、まるく動かす)

変拳下落(拳に変え、下ろす)

第二式  熊晃 (熊が体を揺らす)

左髖上提(左股関節を上げる)

鬆胯落歩(股関節をゆるめ、着地する)

後座檸腰(重心を後ろに移動し、腰をねじる)

旋臂前靠(腕をまわし、肩を前に寄せる)

第4戯 猿戯(ユエンシ)猿の動作

猿が餌を素早くゲットして喜び、飛び跳ね回る姿をイメージする。

手の少陰心経(しょういんしんけい)血を全身に送る。精神活動を担う。

手の太陽小腸経(たいようしょうちょうけい)飲食物を栄養素と老廃物に分ける。

脳力を活性化し、反射神経と判断力を高める。
首や目の動きを円滑にする。
精神的緊張や憂鬱状態を予防し治療する。 

中医による解説を日本語にしてくれているのでこちらのブログを参考に↓

https://takeichi3.exblog.jp/17839592/

https://takeichi3.exblog.jp/30516412/

第一式  猿提(猿が手を引き上げる)

基本の形は猿鈎(えんこう・さるのて)親指で人差し指の先端を押さえ、 他の四本の指は揃えてまるめ、虎口は丸くする。

腹前伸指(腹前で指を伸ばす)

旋腕変鈎(手首をまわし、素早く猿鈎に変える)

聳肩提踵(肩をすぼめ、かかとを上げる)

縮頸転頭(首をすくめ、頭をまわす)

転正前視(正面に戻し、前を見る)

落踵下按(かかとを下ろし、下に押す)

第二式 猿摘 (猿が桃を摘む)

退歩擺手(足を後ろに引き、手を振る)

後移画弧(重心を後ろに移し、弧を描く)

収脚転頭(足を戻し、頭をまわす)

按掌上歩(手のひらを押さえ、一歩出す)

蹬腿摘果(足を蹴り出し、果物を摘む)

後座握固(重心を後ろに移し、手を握る)

下蹲開掌(しゃがんで、手を開く)

立身下按(立ち上がって、下に押す)

第5戯 鳥戯(ニャオシ)鳥の動作

白鶴が優雅に飛び立ち大空を舞い旋回する姿をイメージする。  

手の太陰肺経(たいいんはいけい)呼吸の調整。気や水分の流れを調節。

手の陽明大腸経(ようめいだいちょうけい)老廃物を水分吸収後、大便とする。 

肺活量を増大させ、呼吸力を強化する。
手首、膝、股関節を強化する平行感覚を養う。 

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https://takeichi3.exblog.jp/17918152/

https://takeichi3.exblog.jp/30518203/

第一式  鳥伸(鳥が伸びをする)

下蹲叠掌(しゃがんで、手のひらを重ねる)

蹬腿挙掌(足を蹴り、手を上げる)

屈膝下按(膝を曲げ、下に押す)

抬腿分翅(体をそらし、翼を広げる)

基本の形は鳥翅(ちょうし・とりのつばさ)五本の指をまっすぐに伸ばし、親指、人差し指、小指は上に反らし、中指と薬指は揃えて軽く下に押さえる。

第二式  鳥飛(鳥が翼を広げる)

屈膝環抱(膝を曲げ、まるく抱える)

提膝平挙(膝を上げ、腕を平らに上げる)

落趾環抱(つま先を下ろし、まるく抱える)

提膝上挙(膝を上げ、腕を上げる)

落脚環抱(足を下ろし、まるく抱える)

変掌下落(掌に変え、下に下ろす)

収勢 引気帰元

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